出典:加治木義博『言語復原史学会』大学院講義録27:20頁
これと同じ筆法で、
人皇時代に入っても、
神武天皇の皇太子・多芸志(タケシ)耳の横暴と、
それを倒した弟の綏靖(すいぜい)天皇の即位の正当性。
仁徳天皇皇后の石比売の嫉妬話。
墨江中王の反逆など、
帝王学の教科書として必須の題材が並べられている。
それは、これを犯すとどういう結末がくるかという
<神託>であり、
<予言>であり、
<判例集>であり、
<皇族全部の教科書>でもあったことが、
もうよくおわかりだと思う。
それは神代の部分だけの機能でも、役割でもない。
しかし仁徳天皇は国民の貧窮を炊事の煙の量で察知し、
免税して自分も空腹に耐えたと、
天皇とは、どうあるべきかを教える教材になり、
それによって、
せっかく繁栄がもたらされたのに、
愚かな子孫の安康天皇や武烈天皇が、
権力を乱用して身を滅ぼし、
天皇家を衰微させたという実例も挙げている。
そして僅かに手白髪皇女によって万世一系が保たれ、
<婿養子として入籍した継体天皇>が、
応神天皇の5世孫だったと、
皇位継承法の法規と教科書になっているだけでなく、
天皇制を維持するためには血の問題がいかに大切かを強調している。
こうしたことを見ると、
『記・紀』は、諸外国の単なる史実記録より、
一段も二段も上の思想体系が働いた、
高度文明の持ち主による政治の在り方、
帝王というものの存在理由まで思考した、
非常に高度の『哲学』の産物だったことが、
よくご理解戴けたと思う。
『関連』
『社団法人 日本オリエント学会』
『地図』
出典:小林登志子『シュメル−人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
出典:Category:Mesopotamia - Wikimedia Commons
『Category:Mesopotamia』
『参考』
歴史徒然:日本の誕生・日本語のルーツ・ウバイド・ウワイト・遷都
小林登志子『シュメル−人類最古の文明』:中公新書
オックスフォード大学東洋学科シュメル文学
シュメール古代史:Ancient Sumer History in Mesopotamia
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